計測日:2024年12月11日(自動車) 同年12月14日(鉄道)
これまでの経過
自動車 | 鉄道 |
駅近くの国道7号交差点を1時間19分33秒 | 村上駅到着時点で54分18秒 |
現地点では鉄道が25分リードしている状態です。
ここから先、新潟・山形県境の府屋駅まで国道は内陸をショートカットするのでこの差が縮められることは間違いありません。
ー走りはスムーズ、両者の特性が現れ始めた村上~鶴岡間ー
自動車
村上市の市街地を過ぎた後は海沿いを通る線路とは離れた内陸部を走ることとなります。
時間が長く感じる内陸部の国道7号
市街地を抜け三面川を渡り平地から坂の続く農村部へと入りました。
しかし道は広く速度はむしろアップ、信号もないためこれまで以上にスムーズに進めました。
道路の西には日本海が広がりますが、走行中に海の存在を全く感じさせません。
その原因は海と国道7号の間にそびえる山地です。山の600mは超えていました。
この圧迫感ある風景の影響でとんでもない山奥に入ってしまったと、一瞬錯覚してしまいます。
県境に差し掛かり海が顔を出した
府屋駅から2km程手前の交差点で国道345号と合流、国道7号からでも存分に海を望むことができます。
この区間では線路と並行しており、運が良ければ走行する列車を目にすることができます。
風光明媚な区間を走れることは嬉しいですが、その分曲がりくねった道が現れてスピードはダウン。
せっかく縮めた鉄道とのタイム差を再び開けられてしまう事態です。
嬉しさと落ち込みという相反した感情が出てきました。
道の駅あつみで休憩
そしてこの辺りで疲れを感じたので近くの道の駅で休憩を取りました。
先を急ぎたい気持ちは山々ですが、あくまでも安全が第一優先です。
ここは道の駅あつみ、岩の海岸に囲まれた環境に位置します。
道の駅周辺の風景は上の写真と似ていました。
道の駅の写真を撮っておけば良かったと記事を書いている時に後悔しました。
道の駅の周りは崖地とそこに打ち付ける荒波が、冬の日本海の典型的な光景です。
そんな激しい風景を横目に私は売られていた揚げ餅を頬張っていました。
軽食を摂るにも丁度良い場所です。そうして小腹を満たしたところで出発しましょう。
そこそこ大きい坂道を越えて庄内平野に突入
道の駅を過ぎた後もしばらく海と線路と一緒に走り続けました。
この光景に変化が見られたのはJR小波渡駅を通り過ぎた頃からです。道路・線路ともに海を離れて市街地へと出向くのです。
先に海を離れるのは鉄道の方で道路からは緩やかに内陸へと傾く様子を捉えることができます。
遅れて国道も内陸へと方向転換、平野へと抜ける道中で坂道が現れました。
結構大きめの坂道です。上り坂ではアクセルを少しずつ奥に踏んでいき、下り坂ではブレーキの方に足を移します。
この峠ともとれる坂道を越えた先は鶴岡市街地がある庄内平野です。
高架化された道路があちこちに、あまりスピードは落ちない庄内平野
庄内平野には20万人近くの人口が住んでおり、自動車の普及も非常に高い地域です。
そのため、混雑でスピードが落ちることを覚悟していました。
しかし杞憂で終わりました。道が広いうえに高規格道路が充実しているため特にスピードを落とすことなく進めました。
道路は片側2車線区間も珍しくなく、あちこちで高速道路へと誘導してきます。
その誘導に引っかからないよう直進を続けます。
しかしこの先に左折しなくてはならない交差点が存在するので注意です。
気持ちよく直進を続けていると現れるのが、左折しろという看板です。
この看板の先には高速道路と見まがう高架化された道路が姿を現すのです。
200m→100m→50m、不安がぬぐえないまま交差点が近づいてきます。
恐る恐る前の車に続いて左折します。
「良かった!合ってた」国道の標識を目にした途端に緊張がほぐれました。
安心したところでラップボタンを押しました。
タイムは3時間11分43秒 国道での移動だとやはり3時間を切ることは出来ません。
鉄道
市街地を抜けて広がる日本海
村上駅発車後・・・
村上駅発車後にはそれまで並行していた国道とは分かれて海沿いを列車は走ります。
白い波しぶきを立てて人を寄せ付けない日本海を暖かい車内から眺めて進みます。
この時の安心感ときたら・・・脳にまでそれが伝わり眠気を作り出すほどなのです。
快適さでは満点!
一方で気になる点も・・・
それは速度の低下です。
岩場の海岸故に曲がりくねっており、地盤も強くはありません。
そのためスピードは出せてせいぜい85km/h・・・ずっとこの速度なら自動車に圧勝ですが、速度を落とす箇所はいくつもあります。
平均速度は並行する国道345号を走る車と大差ありません。
道路の方も曲がりくねった道をしており、ショートカットする国道7号よりも平均速度は劣ります。
つまりこの区間では自動車に距離を詰められてしまうのです。追い越されることのないよう逃げ切ってほしいですね。
内陸側に逸れながら庄内平野に突入する
自動車編で記述したとおり、羽越本線は小波渡駅を過ぎるとそれまでくっついていた日本海に別れを告げて内陸へと傾きます。
海と平野の間に位置する三瀬駅を発車した後に広大な庄内平野が目に飛び込んできました。
海が見えなくなり景色は少し単調となりましたがスピードは回復、快調な走りを見せてくれます。
そんなスピードを取り戻したところで列車は羽越本線の途中主要駅である鶴岡駅に到着しました。
ここでラップボタン、タイムは2時間33分20秒 時刻は9時2分
自動車よりも38分速い到着です。海沿いと内陸とで差が縮まったはずですがそれを帳消しにしてしまいました。
あと30分後には列車の終点酒田駅に到着しますが、この開きだと自動車に追いつかれることはないでしょう。
ー途中経過ー
自動車 | 鉄道 |
鶴岡市到着:3時間11分43秒 | 鶴岡駅到着:2時間33分20秒 |
ー平野をまっすぐ進みながら酒田市を抜けるー
自動車
大型SCがよく目立つ三川町
左折した後、高架化された道路を北上します。
既にここは鶴岡市の隣、三川町です。鉄道と比べて海側に位置する自治体です。
鶴岡市と酒田市の中間に位置する三川町には庄内地方最大のSCが佇んでおり、商業の拠点となっています。
SCと一緒にロードサイド店舗が立ち並び前を走る車が次々と曲がっていきます。
私の目的地は更に更に奥なので、スムーズになった国道7号を北上していきました。
最上川を越えた先、もう一つの庄内地方の中心、酒田市
SC地帯が終わり短い田園風景を眺めた後に最上川を渡ります。
すると再びロードサイド店舗に囲まれました。ここが庄内地方もう一つの主要な町、酒田市です。
庄内地方の主要地だけあって交通量と信号が増え、平均速度が落ちました。
国道の左右両方には住宅が並び、上から見ると背骨に見える脇の道路から車が入ってきます。
奥に見える交差点で一気に減る交通量
この区間の道路は直線が長く、市街地の終端まで見渡すことができました。
市街地を抜ければ当然交通量は減ります、そのポイントが目で確認できるので焦ることはありませんでした。
普段から入ってくる車の行動パターンをもっと正確に読み取れれば今回のように焦ることもないのに・・・と考えていました。
鉄道
平らな農村部を駆け抜けるローカルな風景
ロードサイド店舗と新興住宅地の並んでいた道路とは対照的に、こちらは昔ながらの農村部が続きます。
集落は数十軒がまとまったものがまばらに現れ、地元の新潟を思わせる光景でした。
線形は良く最高速度95km/hでの走行です、この間にも自動車との差を開いてしまうこと間違いありません。
庄内平野特有の目立つ防風壁
そんな環境で広く景色を見渡しているとあるものが多いことに気付きます。
それは防風壁です。
清川だしと呼ばれる突風が吹き荒れる庄内平野ではこの風の対策として壁が多数設置されているのです。
張り巡らされた高規格道路をくぐる際にもこの壁で覆われており、車は見えません。
一方で線路側も劣らず対策されています。特に最上川付近には顕著です。
最上川第一棟梁に張り巡らされた防風壁
2005年12月25日に起こった脱線事故以降、設けられたものです。
普通列車から眺めると黒く覆われた壁でインパクトのあるものです。
この黒い壁の設置が功を成してか、2005年以降に死亡事故は起こっていません。
安全のための工夫を実際に目にしながら、途中経過地点の酒田駅に到着しました。
ここまで差が開いた!強みを出し始める鉄道
「まもなく終点、酒田です」この声と同時にストップウォッチ画面を開いていつでも押せるよう準備します。
タイムは3時間4分57秒
・・・自動車が鶴岡市にいる間に既に酒田市に到達する結果となりました。
記録したタイムを後になって眺めた時に知った時には鉄道の強さに圧倒されていました。
鉄道の強さに酔いしれるのも良いのですが、まだここは途中経過地点。
終点の秋田駅に到着したところで真の喜びを味わおうと思います。
次に私が乗る便は酒田発秋田行であと10分で発車です。
ここから終点の秋田駅までどこまで差が開くのでしょうか?楽しみです。