撮影日:2024年9月28日
ー一瞬も気を緩めることはできないカーブ続く国道158号ー
安房峠を越えた先も国道158号はひたすら松本市街地向けて続きます。
曲がりくねった道が続くというのに前の車がどんどん小さくなり後ろからは距離を詰められる。
早く追い抜いてもらいたいところですが待避所が見当たりません。
この時は頭の中で「もっと待避所を増やしてくれ!」と叫びながら必死に待避所を探しました。
現れた休憩スポットに避難する
そう考えているうち道の駅らしき施設を発見、ウィンカーを出してハンドルを左に傾けました。
周りを森に囲まれ人里離れた場所ですがそれに似つかわしくないほどの車の交通量、先程まで私はこの集団に呑まれていたようです。
この施設周辺もまた秋が始まっており木の実が目立っています。
食用になる実もありましたが公共施設のため見て楽しむにとどめておきましょう。
10分程休憩した後、車が途切れるタイミングを狙って道へと出ました。
ートンネルを抜けていきなり現れる、湖広がる奈川渡ダムー
道の駅を過ぎた後も道路状況は大きく変わりません。
おまけにこの区間は平野部と比べ車線幅が狭いので必然的に緊張が走り、思うように速度を上げられません。後続からは再び車が距離を詰めてきます。
しかし目的地のダムはあと少しなので今回は焦っていません。
長野県最大のダム
そして目的地手前のトンネルに入ったところで私は駐車場がどこにあるのか、目を光らせます。
駐車場を通り過ぎるのは一瞬なので見逃せないのです。
トンネルの出口すぐは目的地のダム、その上(天端)を国道が通るというこれまた珍しい光景なのです。
思い切り景色を眺めたい気分ですが駐車場を見逃してしまう危険があるため、見つけるまでは前を見続ける必要があります。
そして天端を渡った先に駐車場の看板が見えました。
アクセルを離して自然と減速、ウィンカーを出して右折の合図を知らせながら国道を抜けます。
幸い対向車はいなかったために後続車を待たせることはありませんでした。
駐車場を下りてすぐから撮った写真ですが、何だかダムの上と水面とが近い気がします。
岩が露出しているためこれでも通常よりも水面は低いのでしょう、だとすれば洪水時には簡単に天端を越えてしまいそうで少し不安がこみあげます。
しかし風景の素晴らしさはそれを帳消しにしてくれます。
船で湖上を観察したくなるほどの広い風景を見ているとあの不安は何だったんだ?
こんな疑問になるくらい気持ちが上向きになるのです。そして不安はどこかに消え去りました。
ーダムの上に車が!異質感満載の奈川渡ダムー
巨大な壁が立つダム
今度はダムの下流側をのぞいてみました。
見た目は黒部ダムと似ています、放流こそ行われていませんがアーチ式の構造が黒部ダムを連想させます。
増水時には水が流れるのでしょうか、きっと飛沫で前が見えなくなります。
そうなればこの断崖絶壁に真っ逆さまですね・・・手すりを握る手が震え始めました。
そして何かおかしいところが・・・そうです、ダムの上(天端)にバスが走っているのです。
なんとこのダムは天端に国道が通っており何事もなかったかのように車が通過していくのです。
しかし前述のとおりここはダムの真上、下は方や湖、もう片方は断崖絶壁なのです。
何事もなかったかのように走り続ける車たち
天端から眺めた道路は普通の道路と何ら変わりはありません。
両側の柵で遮られるために何も考えずに走っていたらここがダムと気付かずに通り過ぎてしまったかもしれません。
事実、以前に通った際には道路沿いにダムがあることに全く気付かずに素通りしてしまいました。
上から眺めると異質さが際立つ
駐車場付近から続く階段を登っていくと見通しの良い展望スポットが現れました。
ここからは天端にハッキリと道路が通っている様子が見て取れます。ここを車が走るなんて今でも信じられません。
ちなみに駐車場の先にも道は続いており、先は旧奈川村のようです。
松本市も広大で先程までいた高山市から100km近く走っています。
一際異彩を放つダムを眺めた後は盆地へと下りて北を目指します。