上田電鉄に乗って安楽寺へ (寺院編)

建築物
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別所温泉駅を降りた後、寺院へのルートが記載された看板を頼りに三重の塔へと歩いていきます。

辺りは車も人も少なく静けさに包まれており、賑やかさとはまた違った魅力が出てきます。

大勢で賑わっている場所は周りにつられてこちらも自然と気分が上がります。

一方でこういった静けさに支配された場所は普段とは違うところに来たという感覚を増幅させます。

それによって今まさに旅をしてるんだなと気付かせてくれます。

安楽寺まで300m、この看板を通りすぎると左へ90度曲がり辺りは林と坂に囲まれていました。

それまでの行楽地の雰囲気が一気に変化し、神聖な領域に入った感じがして気も引き締まります。

そして右を振り向くと寺院へとつながる階段が姿を現しました。

段数はそれほどではありませんが上の門が聖域の雰囲気を高めています。

ここは私も態度を改めねばなりません。(いつもより深く息を吸い込み吐き出します)

呼吸を整えて階段を登り横長の寺が見えてきました。

季節は冬、周りの木々は葉を落としその葉は地面に転がっているはずです。

ところが道には葉っぱが落ちておらず石畳みの床がはっきりと見えました。

毎日毎日掃除している謙虚な僧侶の姿が思い浮かびます。

こうやって場所の様子から人を想像してみるのも面白いですね。

次はいよいよ国宝の三重塔です。寺の左脇に料金所がありここでお金を払って入場券をもらいます。

料金所を越えて現れたのがまた階段です。

寺の門に続く階段の倍以上の段数が確認でき、登るのに少し体力を使いそうです。

いつもよりゆっくりと、体重を分散しながら一段、また一段と登っていきます。

そしていよいよ見えてきました。

国宝指定されているのでそれはさぞどっしりと、遠くからでもハッキリと分かるほど目立つ存在とばかり思っていました。

しかし実際は近寄らないと発見できませんでした。

さらに見つけた直後もひっそりと佇んでいる感じで周りの木々と一緒に目立たない状態です。

ところがここからその様子を一変させます。

近づくにつれてどんどん周りの木々とは一線を画す濃い茶色の威厳ある姿へと雰囲気を変化させました。

最後にはイメージした通りの目立つ一枚を撮ることができ、満足できました。

この形状の塔で現存するのはここだけのようです。

看板の説明にもそう記されており、ますますすごいところなんだと感じてしまいます。

そんな聖域にお邪魔させていただいた後は消耗した体力を回復するために温泉です。

この寺院の下には温泉街が広がっています。早速戻って楽しむこととしましょう。

帰りの道は登りよりも遥かに早く感じるものです。

一度通った道だからでしょうか、行きよりもキツさも感じませんし体感の距離もぐっと縮んでいました。

そのため目的地の温泉へはあっという間についてしまったのです。

(実際は15分ほど歩いていますが登りと比べると一瞬の感覚です)

共同入浴施設には10台ほどの車が停められていますが施設の大きさからして混んでいることはないと判断できました。

玄関で履いていた靴を脱いで券売機へ向かいます。

私の髪の毛は短いのでそんなに大きなタオルは必要ありません。

しかし販売されているバスタオルはどれも私が使うのには大きすぎる、悩んでいた私に声をかけてきたのがカウンターにいた従業員でした。

「だったらフェイスタオル2枚買ったら良いんじゃない?」なるほど、その発想はありませんでした。

こちらの方が安く抑えられるうえに頭と体を分けて拭くことができてお得です。

従業員さん、アドバイスありがとうございました。

脱衣室を抜けていよいよ入浴、熱すぎずぬるすぎず、体の中まで暖まっていく感覚がよくわかります。

足の疲労感も回復していき、これから先も安心して観光ができます。

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