里山と海が隣接する若狭国を走行すること1時間、ついに越前国へ突入です。
ここは福井県敦賀市、北陸新幹線の終点駅であり越前国の入口です。
ここにはこの国の一宮が存在します、どんな姿をしているのでしょうか。早速向かいましょう。
まずほっとしたことは駐車場が広く十分に停めるスペースがあることでした。
公道に露出しているわけでもなくしっかりと専用スペースへと続いているので不安なく車を降りられます。
駐車場は裏側にあるので歩いて表にある鳥居へ。
大きいですね、市街地から急に現れるその姿はかなりの存在感を放っています。
実際、過去に鉄道で訪れたことがあるのですが市街地から現れる赤い鳥居を前に目を離すことができませんでした。
これほど立派な鳥居も珍しいものです。
短期間で修理されているのでしょうか、コケや地衣類は一切生えておらず白い石がむき出しとなっています。
先程まで滞在していた若狭彦・若狭姫神社(若狭国一宮)の苔むした姿とは対照的な勢いのある光景です。
市街地と聖域を分ける大きな鳥居をくぐって50m程、左側に本殿が見えました。
前回訪れた時には柵が閉まって写真と同じ場で足止めというもどかしい思いをしてしまいましたので今回はリベンジです。
いよいよ目の前の鳥居をくぐって本殿へ入ります。
本殿は専用のスペースで隔てられており人の手が行き届いている感じがしますね。
若狭一宮がムラの神社という印象を受けたのに対してこちらはマチの神社という印象です。
参拝者をほとんど見かけなかった若狭に対して越前ではあちこちに人が歩いていることも大きく異なることです。
御祭神はイザサワケノミコト(漢字変換ができませんでした)で衣食住・豊穣・海上安全・交通安全にご利益があるようです。
港町として発展し、陸上でも鉄道・高速道路ともに交通の要衝となっている敦賀ならではの御利益です。
私もこの先運転する必要があるため、特に交通安全に対してお祈りしなくてはなりません。
小浜市の若狭彦・若狭姫神社と比較するとやはり賑やかさが並外れています。
この先、木ノ芽峠を越えて嶺北からも参拝客が訪れるのでしょう。
交通の要衝というだけあって安全を祈る発想が生まれるのは自然の流れです。
嶺北地域は地形が広く豊かな作物が取れて、それを運ぶ交通がよく発達しました。
そのことから交通にご利益がある神様を信仰することは理に適っているように私は思えます。
それでは次に神社を抜けて2km離れたところに面している敦賀湾を眺めてみましょう。
教科書で習うリアス海岸の典型例ですね。
沖から離れており細長い半島が伸びているために波は穏やかで船を出すには絶好の場所といえるでしょう。
こういった場所だからこそ海上安全を願う信仰は生まれ、それが現代にまで続いているのだと思います。
現在でも湾の重要性は変わっておらず、今でも積荷を下す拠点としての役割を果たしています。
数キロ先に見える港がその例ですね。肉眼では大量のコンテナを確認することができました。
広い海岸と聞いて思い浮かべるものの一つが松林です。
青々と茂った松の木が大群となって植えられています。
これは海岸から吹き付ける砂嵐を防ぐためのものという説が有力です。
これのおかげで松林の奥に位置する町は守られます。
地元でよくここに来ると言っていた男性に話を聞いたところ、湾内にはよく荒波を避けてくる海の生き物がいるのだとか。
実際に訪れた時期は梅雨の真っただ中、海には枝や葉が散乱していました。
この地形の特徴が港として最適なのでしょうか、他の良港も湾内にあるものが多いですね。
そういった地域にも同じような信仰があるのか興味がわいてきました。
この次は福井県を抜けてさらに石川県を越え、富山県の国宝寺院へと向かいます。
安全に進めるよう、神様だけでなく自分自身にも気をつけねばなりませんね。