国宝・永保寺を歩く 水面に映る見事な庭園風景

国宝
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訪問日:2024年9月27日

岐阜県を観光したいと思い家を離れてから2日目となりました。

岐阜県の中でも美濃地方を訪れたかったので今回選んだのは多治見市に位置する国宝指定の寺院、永保寺です。

随一の暑い町として知られる多治見市には実は国宝寺院が存在するのです。

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ー市街地を抜けて突然現れる庭園の駐車場ー

多治見市の隣は愛知県の名古屋近郊区間に含まれる人口が密集しているエリアです。

渓谷を挟むとはいえ隣接するために愛知県方面への通勤通学需要は莫大で市街地は混雑していました。

こんなおびただしい車の行き交う場所から広い池と草木の茂る庭園など発見できるのでしょうか、早くも不安が漂い始めます。

混雑する幹線道路を走行中に永保寺の文字が入った看板を見つけました。

その看板の矢印に書かれた方向を向いてみると奥に台地が広がっており、上に建てられた住宅は静けさを出しています。

これを目にしてようやくこの市に庭園があるんだと実感が湧き安心して目的地まで向かうことが出来ます。

市街地から離れても線路は立派です。

台地に続く坂を登るにつれて騒がしさがなくなり緑の面積も広くなります。

道幅も狭まり目的地を通り過ぎてしまわないようにと自然とスピードも落ちます。

目的地は近いので看板がないか、目を光らせました。

そして看板に記された方向へと曲がるとこじんまりとした駐車場が見えてきました。

まさかここじゃないよね・・・?

国宝に指定されたお寺ということでそれなりの観光客が訪れるから駐車場も規模が大きいはず、

そう考えた私はもっと奥にあるのだろうと思い駐車場を通り過ぎました。

目の前には分かりやすく踏切があり、この先にあるに違いないと確信した私は戸惑う様子も見せずに通過します。

そして踏切からおよそ150m、さらに狭い駐車場らしき広場を見つけて困惑。

住職者用の駐車場と記されており私のような一般人は踏切を渡る前の駐車場にお停めくださいと記されていました。

つまり先程通り過ぎた駐車場に停めろということです。

この先に駐車場があると勘違いしてしまうほどに寺の前の道路は整備されていました。

仕方なく引き返して先程のこじんまりとした駐車場へ車を停めて150m程を歩きました。

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ー市街地から切り離された平和を感じる庭園ー

早速庭園らしさが出てきました。

ここから先は自動車の乗り入れが禁じられた徒歩の領域、自分の足を使います。

本格的な庭園の前に自然の良さを味わえということでしょうか生い茂る木々の下をくぐります。

これは良い前菜をいただきました。メインディッシュはどんなものでしょうか?

坂道を降りると広いお寺が左に構えていました。

全体的に明るい風景です

これまでに訪れた寺院と比べると明るい色遣いで新鮮味を感じます。

寺に使われている木材や漆喰もまさに現役、哀愁感ではなく力強さの方が伝わります。

この力強さのためかここが市街地の中だと忘れてしまうのです。

その感覚を途切れさせるのは時々鳴り響く列車通過音のみ・・・通過した後にはすぐにお寺の世界へと吸い込まれるのです。

ー初めて目にして感動、鏡のように反射する水面ー

風が静穏な時に来られたことは幸いでした。

お寺の横に位置する池へと移動してきました。

ほぼ無風なことも相まって水面が鏡の役割を果たしています。

先程とは対照的な年期の経った寺院や周りの草木の色までもが完璧に映し出された光景は圧巻です。

この光景を前に私は絵の中にでもいるのかと錯覚してしまいます。

11月ならこの世から切り離された感覚に陥るほどの美しさでしょう。

その現実離れした感覚が一番強くなる場所がこの寺院一体を見渡せる池の端っこです。

先程の錯覚に加えてその絵が動いているような感覚に浸ることが出来るのです。

適度に吹く風と揺れる草木がそういった感覚を作り出していることが現地にいる時にハッキリと分かりました。

では次はその生命力感じる樹木を見に行きましょう。

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ー秋の始まりを見ることができた、庭園の樹木たちー

風景に溶け込む写真を撮ることが難しいです。

まずはヒガンバナ、涼しさを感じ始めた頃に咲く赤い花です。

お寺の横を流れる川のほとりに群生を造っており、一枚。

暑い多治見も9月下旬の午前中であれば暑さが和らぎました。

果実を目にしたのは初めてです。

コブシの仲間、東海地方に自生するシデコブシです。

花を見ないと判断しようがありませんが、この近くには自生地が存在するようです。

さらにこの寺院の入口にもシデコブシと記載されていたため間違いないでしょう。

コブシの仲間は果実が人間の拳を握った形をしていることが由来のようです。確かにそう見えなくもありませんね。

カエデの仲間はこんな形の果実をしています。

真っ赤に染まる姿が大変美しいイロハモミジも植えられていました。

2ヶ月程早いですが今年も綺麗に色付いてくれることを祈りましょう。

この木でもやはり実がなっており秋の始まりを感じます。

青葉の時期には森林に生えていようものなら決して目立つことはないでしょう、地道に見つけるしかありません。

その姿は他の木と変わらず生命力溢れるものです。

イチョウの巨木、街路樹よりも威厳を感じられ無意識に後ろへと下がってしまいます。

街路樹に植えられているようなポピュラーなものでも圧倒的な存在感を放てるんですね、樹木を見るのがさらに面白くなりました。

この木も11月の終わり頃には見違えるほどの黄色に染まり多くの人間を魅了することでしょう。

絵のような庭園風景と秋の始まりを感じる草木たち、これは良いものを見させていただきました。

これから先、岐阜県を北上する予定ですがさらに秋らしい光景が見られるのではと期待しています。

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