物流の拠点に町は作られる 戦前の一大拠点 小樽

建築物
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北海道で名の知れた港町の一つ小樽市、明治~昭和前期にかけて主に物資輸送の拠点とニシン漁で影響力を持っていました。その一大拠点を目にするため、本州を通り越して広大な北海道の地に足を踏み入れました。

前日は札幌に宿泊して朝に出発。さすがは北海道、真夏でも朝は涼しく不快とは無縁です。駅まで向かう際にも汗はかきません。

JR札幌駅から乗車するのは函館本線の普通列車小樽行、ここからおよそ40分です。まだ朝早い時間、それに札幌という大都市から離れる方向のため乗客は多くなく快適な移動が保証されます。

駅の発車から20分、札幌市と小樽市の境目付近からは果てしなく続く日本海を眺めることができます。戦前にはこの近海で大量のニシンが水揚げされていたといいますから、港が発達したのも納得です。

広大な海の景色を眺めているうちに到着したのが港町、小樽です。どんよりとしたこの灰色の空がまるでロンドンを思わせます。洋風の建築物も相まって一層外国のように感じてしまいますね。

一度に物資を大量に運べるもの、それは船舶です。海から引かれた運河に舟を入れて脇に建設された倉庫に物資を保管します。最盛期にはどれだけの物資、そして人が行き交ったのでしょう。

しばらく凝視していると一種の遊園地のようにも思えてきます。それはテーマパークの多くがこういった港をモデルにしているからでしょう、今いるのは本物の港町です。

一方で近代を支えたもう一つの輸送手段、鉄道も忘れてはいけません。お前、何線路に侵入してんだ!と慌てて止めに来ることでしょう。

しかしご安心ください、これはすでに廃線であり線路へは合法的に踏み入れています。路線名は手宮線、1880年に北海道に開通した最初の線路の一つです。輸送手段の変化と旅客の低迷により廃線となりましたが、代わりにこうやって直接線路を歩くことのできる場所へと生まれ変わりました。

鉄道は主に空知地方で産出する石炭を輸送するために使用されました。かつて繁栄を極めた姿、目にしたかったです。

物流の拠点となるとやはりそこに都市が築かれるのは自然な流れなのでしょう、他にも函館や長崎、現在は北九州市となっている門司港もそういった類の町です。鉄道の話を聞いているとそのような町の賑わいっぷりを謳ったものを数多く目にします。

そして港町は異国と接する場なので独自の景観や文化が生まれるのでしょう、異国情緒あふれる姿となるのはこのためです。当時在住していた人間はどんな価値観、世界観の中で生きていたのか、一度追体験してみたいものです。視野が広がるかもしれません。

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