時期は梅雨入り直後のこと、空を見上げると雲が重なって灰色です。
いつ雨が降ってくるのでしょう、こういった雲の様子を八雲と表現すると見たことがあります。
和歌で詠まれている八雲立つとはこんな天気だったのでしょうか。
そういったいかにも雨が降りそうな天気でしたが、奇跡的に一粒も当たることはなく次の観光地へと移動することができました。
これも神様の力なのでしょうか、そうだとしたらこちらは喜びの感情でいっぱいです。
ここまでが普段人間が生活する空間、観光地とだけあって賑わっています。
そしてここから先が神の世界です。下の賑やかさから一変、透き通った静けさに包まれました。
本当に境目というのを感じることができます。では一礼して中へ。
鳥居をくぐって社叢林を横目に歩いた後、振り返ります。
緑と石の灰色のコントラストが下の世界と隔てられていると感じるところです。
そして橋を渡ります。神社の橋というと木で作られているイメージですがここは石なんですね。
私は端を通って奥の松林に近づきます。
まるで海岸にいる気分です。
この脇に因幡の白兎で有名なウサギの像が設置されていました。
確かにここ出雲国と因幡国は途中、伯耆国を挟んでいますが、100kmほどの距離に位置しています。
歩くなり舟で渡ることもできたでしょう。
そしてここに祀られているのはその神話の主人公、大国主神(オオクニヌシノカミ)です。
境内は非常に広く歩き回るには全体を一度に撮ることはできません。
自分の足で確かめる必要があります。
この太いしめ縄の存在が大きな神社に来たと気付かせてくれる合図です。
おなじみの参拝光景です。さて、私も参拝しようと小銭を取り出した直後にあることに気が付きました。
それは拍手の数です。
全国的にはニ礼二拍手一礼ですが、よく聞いてみると拍手の数がもう二回多いのです。
つまり二礼四拍手一礼ということになります。
最初私の聞き間違いだと思って他の参拝客の様子を伺いました。
しかしどうやら間違いではなく、全員が4回手を鳴らしていたのです。
それに習って私も同じ方法で参拝、その後は神社をぐるりと回ります。
改めて全体を見渡すと巨大な神社ですね。スマートフォンで全体を撮るのも一苦労です。
事実、正面の撮影はできませんでした。
代わりにどこか良い場所はないかと探し回った結果ここがベストだと考えました。
屋根の上にうっすらと生えるコケが悠久の時を超えて今に至っている、そんなことを想像してしまいました。
もう一枚、うまく撮れたと思ったのがこれです。2匹のウサギが本殿の後ろを眺めている光景です。
ウサギたちの目にはこのように映っているのでしょうね、私もその目線に立ってみました。
もはや要塞ですね、屋根が遥か遠くに感じられそれこそ雲と屋根の高さがわからなくなるほどです。
やはり全国に知られているだけの迫力があるなと感じる、神秘を感じられる参拝となりました。