置賜地方の拠点となる米沢市、その代表駅である米沢駅で列車を待っています。
駅構内は常に2~3人歩いており、時々到着する新幹線からは続々と人が降りてきました。
それに伴い構内は一時的に賑わいを見せ、狭い構内に人の歩く音が響きました。
そして1~2分経つとまた静かな地方の駅へと戻ります。
この駅における新幹線の影響力は大きいもので、私が駅にいた時間の降車客の大半が新幹線によるものでした。
おそらく乗車客も新幹線へと乗る人が大半でしょう。
私は在来線に乗車して北上します。
目の前の線路は他のJR線よりも幅の広い標準軌で1435mmあります。
新幹線と同じ幅をしており1992年に山形新幹線が開業した際にこの幅に付け替えられました。
この区間へ来るとその線路幅から動画や特集で放送されている外国の鉄道を思い浮かべてしまいます。
しかし正真正銘ここを通るのは日本の鉄道車両ですから、安心して出発を待つだけです。
米沢駅を発車して盆地の中をそれなりのスピードで北上していきます。
これまで列車内では車に追い抜かれるばかりでしたが今度は追い越す番です。
自動車よりも速く移動して置賜地域の広範囲を見渡せる丘の上に差し掛かりました。
町を見渡せるスポットです。
ここまで見渡しが効く区間も珍しいのではないでしょうか。
新幹線車両(E3系・E8系)であればさらに素早く目の前の草が流れその後ろにはゆっくりと過ぎていく町が・・・そんな景色を楽しめることでしょう。
村山地域に入ってからというもの、住宅の数が増えた気がします。
そして上山市に差し掛かった時、右の車窓を眺めると目を疑う光景が・・・
田畑と住宅が広がる盆地の中に一際異彩を放つ、一つのタワーマンションがそびえます。
このスカイタワー41は名のとおり41階建てで山形県では最も高い建築物となっています。
これを見ると山形市はもうすぐだとゴール手前でやる気を取り戻す時の気分となるのです。
県の代表駅だけあって駅構内では日中ですが人の動きが見られます。
こういった人の行き交う姿を地方の駅で目にすると安心感に包まれます。
まだ鉄道も捨てられてはいないんだなと嬉しくなるのです。
駅ビルも立派でショッピングセンターを連想させる大きさです。
実際、駅ナカには商業施設が立ち並び食品を始めとして探索に飽きません。
もっと歩き回りたいところですがそろそろ列車の時間です。
乗車したのは仙山線、文字からしてわかるように仙台と山形を結ぶ路線です。
(厳密には仙台駅~羽前千歳駅まで、山形駅の2つ手前にあります)
山形駅を過ぎてしばらく、郊外や農村の風景が続きます。
農村部に関しても置賜や上山市よりも住宅が密集しているように感じられました。
1400人を超える山形市の人口密度(森林や湖沼を差し引いた可住地人口密度)を目の当たりにしたような気がします。
ようやく仙台市へと入りました。
仙山線は山形市と仙台市の2市のみを走行する路線ですが、農村や峠の風景を眺めることもできます。
人口が100万を超える仙台市ですがこの区間に限れば農村の中でもかなり人の少ない方に分類されるでしょう。
東に進むにつれて住宅は増えていき、私が下車する愛子駅付近ともなれば郊外の風景へと様変わりしました。
私はここからバスに乗り込むわけですが、週末パスはバスまでカバーしているわけではありませんので別途料金を支払う必要があります。
次ページではいよいよバスで秋保大滝へと向かいます。