訪問日:2024年9月5日
高徳線で徳島駅に降り立った後、これから歩くのは徳島県の県庁所在地徳島市です。
一体どんな街が広がっているのでしょうか。大きく感じたのは以下の点です。
・自動車交通に賑わい持っていかれた地方都市の典型例
・自転車の多い街
・三日月状に広がる市街地
・JR新幹線・特急のチケットを自宅にお届け!【NAVITIME Travel】ー自動車交通に賑わいを持っていかれた地方都市の典型例ー
駅構内の人の流れを見て市街地はどれだけ賑わっているんだろうと想像していました。
結論を言ってしまうとお世辞にも賑わっているとはいえないでした。
徳島市の北側、吉野川を渡った先には大型SCを始めとしたロードサイド店舗が並んでいます。
大部分の市民や郊外民(北島町・藍住町など)はそちらへと流れているようです。
やっぱりこれが現実か・・・自動車に乗っている分際で言えたものではありません。
ドア・ツー・ドアを始めとする便利さをたっぷりと受けている身だからです、しかしそれでも悲しい気持ちが湧いてきます。
日差しは十分差し込んでいますが薄暗く見えてしまうのは私だけでしょうか。
以前訪れた鹿児島市の天文館通りが恋しくなってきました。
ー自転車の多い街ー
ここまで、徳島市のがっかりしたポイントを挙げてきましたがこれだと徳島市へのネガティブキャンペーンとなってしまいかねません。
期待外れではありましたがなにも町全体がゴーストタウンと化しているわけではありません。
中でも目立ったのが自転車の多さです。
街の脇にはおびただしい数の自転車が規則正しく停められており、私は最初レンタサイクルだと思っていました。
ところがタグも付いておらず規格もバラバラ、一般人が停めたものだと分かりました。
地形が平坦なためでしょうか、地方都市としては自転車で移動する割合が高いのだそうです。
徳島市民のうち20.5%(2021年)が自転車を利用しているのですからどこかに首を傾ければ自転車通行者を見かけます。
私は新潟県に住んでいるのですが、県庁所在地の新潟市での自転車分担率は2022年の調査では9.9%です。
人口当たりの分担率で見れば徳島市の半分にも満たない比率です。(少ない・・・)
徳島市の場合、駅に近い地域では30%を超えるようで地方都市としては異例ともいえる高さです。
自動車交通が支配的な町ですが生活に必要な施設が近くにある場合に限れば他の交通手段も使われる。
この事実に気付けたことは大きな収穫でした。
それ故、自動車一辺倒は言い過ぎな気がしました。
ー三日月状に広がる町ー
地上を歩いた次はロープウェイに乗ってパノラマを眺めることにしました。
徳島駅から南に10分程、この町を見下ろす眉山から風景を楽しみます。
幸か不幸か観光客は私を含めて3人だけ、写真のとおりゴンドラは2つあるので悠々と景色を眺めることが出来ました。
ゆっくりと移動するものと思いきや、モノレールの如く素早く登っていきものの5分で終着点まで到着してしまったのです。
停留所の階段を登ってすぐ、徳島平野を一望できる展望広場までやってきました。
こうやって眺めると上から見た町は全体的に白っぽい色していることが分かります。
そしてやはり平坦な地形をしています。
中央部に見える小高い丘を除けば起伏はほとんどなく川が入り組んでいますね、讃岐平野とは対照的です。
これだけの川があるのですから舟運が活発に行われ、江戸時代~明治後期にかけては四国一の町だったことも納得です。
そしてこの徳島平野ですが意外と広い面積を持っており、上空の地図ではヘアピンを思わせる形をしています。
特に吉野川の下流部は広大で、川を挟んだ向こう側にも人口密集地が続いています。
大型SCも立ち並んでいるようで、徳島駅付近の住民以外は橋を渡ってSCへアクセスするようです。
この平坦で広い土地に中心市街地ほどではないにせよ、程良く人が密集している。
このコンディションがSCを発展させた要因の一つではないかと考えました。
眉山からは他方向も眺めることが出来ました。
青と緑のコントラストが美しい徳島平野南部、奥に行くほどのどかな風景が姿を現します。
山地面積の比率が高い徳島県、南側には険しい山々が連なり迷い込めば帰れなくなるでしょう。
ここが島だと忘れてしまいそうです。
ふもとに降りる頃にはさらに気温が上昇して一刻も早く日陰に入りたい!と願い街の屋根に駆け込みました。
この時ばかりは日差しの届かない薄暗い屋根がなんてありがたいんだ!と心が思いました。
そろそろ移動しようと思い駅前まで戻ってきたのですが、気のせいか先程よりも人通りが増えている気がしました。
思ったより混んでいることに驚きつつもホームまで、ここもまた昔の映画に出てきそうな哀愁漂わせるプラットホームです。
映画のワンシーンに入り込んだ気分で写真を一枚、次の行先は高松です。
30分も待てば特急列車が入線するだろうと考えホームに降りました。
そこにはまさかの高松行の普通列車が停まっていたのです。
3時間を超える乗車時間となりますが往路よりも眺めの良い移動となるでしょう。
乗った瞬間に歩いた疲れが現れ始めしばらくは動けそうにありません。