訪問日:7月22日
この日の始発駅は姫路駅から、奥の姫路城から一直線に続くメインストリートはまだ静けさに支配されています。
賑わいを取り戻す前にここから遥か西の方角へと進んでいきましょう。
午前6時にも到達していない中で列車は停まっていました。
終点の岡山駅まではおよそ1時間と30分、なだらかな山とそこを流れる川の風景が続く区間です。私は進行方向右側の席に座り発車を待ちました。
姫路駅を発車した列車はその都市圏の中を一直線に走り抜けます。
旅客需要はここから一気に痩せ細るようで、直通してきた快速列車も各駅停車へと降格してしまいます。
そして郊外を抜けた先はさらに速度が落ちて風景はローカル線と変わらないものとなりました。
昨日の新快速から眺めた目まぐるしく変わる風景が恋しくなります。
ここはのどかな風景を楽しむことに切り替えるべきでしょう。
この辺りで眺めて面白いのは山の形状です。
輪郭かなだらかで昔話で出てくるような里山を彷彿とさせます、昔話は西日本舞台の話が多いのでしょうか?
姫路~岡山間で目に留まるのがこの吉井川です。
ちょうど流路を90度傾ける関係で河原が広くなる場所で一枚、大地の雄大さを感じられる風景ではないでしょうか。
ここを通過すると少々飽き気味だった脳がリセットされて再び窓に釘付けとなります。
岡山平野に差し掛かる頃には乗客が大幅に増えてうまく外を映すこともできません。
岡山駅での撮影をと考えていましたがバタバタで通り過ぎてしまいました。これはもう少し工夫が必要なようです。
次に余裕が出来たのが倉敷駅に到着した頃でした。
乗客が降りて車内に隙間ができた時にホームの一部を映すことができました。
古い町並みを表現した壁でしょうか、観光地を全面的に推している様子が見て取れ、訪れたくなります。
再び海が見えるのは広島県に突入してから20分程、福山市から尾道市に入った頃です。
運河と錯覚しそうな穏やかな海にかかるしまなみ海道は絶対に映さねばと使命感に駆られ、スマホのレンズを近づけました。
自転車でも渡れると聞いているので瀬戸内海の穏やかな海を相棒に進みたいものです。
一方で線路は通っておらず、ここを走る高速バスはJRの商売敵と言えるところでしょう。
鉄道好きの私の頭にはこの相反する感情が居座っており、うまく折り合いをつける必要があります。
糸崎駅にて乗っていた列車を降りて撮影、新しい車両とだけあって揺れが少なく快適でした。
国鉄型の古い車両とは別の良さがあり、レールを滑るように走る姿は爽快でした。
次はこの色違い、広島支社の列車へと乗り込みます。
朝早くから移動した影響で眠気がピークに達して発車したところから記憶がありません。
目が覚めたら広島駅到着のアナウンスが流れていました。
広島駅構内は先を見渡すことが困難なほどの利用者で溢れていました。
人混みを通ることは私も好きではありませんが地方都市でこういった賑わいを見かけると嬉しくもなるのです。
今後もこういった光景が見られることを願っています。
午後に福岡県にいる知人と合流する都合上、ここから先、小倉駅まで山陽新幹線を使って一気に西へと進みます。
7000円を超える料金に愕然としながらも安全とスピードを考えれば仕方がないと言い聞かせました。
発車した新幹線は駅を出て早々に加速、在来線の最高速度を軽く超えてもまだまだ続きます。
最高速度である300km/hに達するころには列車はトンネルの中を爆走していました。
そしてトンネルを出て猛スピードで景色が流れていくのを見てまたトンネルに入っていく、これをひたすら繰り返します。
山口県に入ると何だか住宅が増えた気がしました。
人口が広範囲に分散しており、数万~15万人の町が散在していますからあながち間違っているわけではないとも思います。
山陽新幹線で随一の撮影スポットと呼べる徳山駅周辺のコンビナートは外せません。
トンネルばかりの山陽新幹線内で気持ちを一新させてやると言わんばかりに瀬戸内海とそこに広がるコンビナートが辺りを覆います。
さらにこの区間は傾斜のきついカーブが存在するために速度も185km/hまで落ちます。
この絶好の機会を逃すわけにはいかず、すぐさまスマホを窓に近づけました。
減速しているとはいえ185km/hも出している中でずれの少ない写真を撮れたことはまさに奇跡と呼べるでしょう。
1時間程で九州上陸、北九州市の小倉駅へ到着しました。
知人と待ち合わせした駅はまだ先にありますがここからであれば間に合うことがわかりました。
であれば料金を安く抑えることを兼ねて在来線での移動とすることにしました。
小倉駅を発車した列車の中でまた眠気に襲われて熟睡。
思えば5時間も眠れておらず列車の中でも気を失ったり戻ったりの連続、
これでは完全に睡眠欲を満たすことはできません。その睡眠欲を少しでも満たそうと脳と体が働きかけてきたのでしょう。
しかし不思議なことに目的地の駅近くになると自然と目が覚めるのです。この現象には何か名前はないのでしょうか?
そうして降りた場所は香椎駅、福岡市の副都心の一つで写真の時刻表も賑やかなのがわかります(運行本数が多い)。
せっかくならこの後やってくる特急列車を撮影しようと思っていましたが階段を登った先、さらに奥のホームに入線したため断念しました。
駅のホームを出た後は待ち合わせした場所へと歩いて向かいました。
気温は35℃近く、前日よりも暑く早く冷房の効いた部屋に飛び込みたいです。
これから標高の高い場所へと向かうので涼しいことを願うばかりです。