公共交通を使って秋保大滝を訪れる 愛子駅~秋保大滝

自然
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愛子駅に列車は到着し、郊外の風景広がる環境の中でバスを待ちます。およそ10分経つうちに目的地へと向かうバスがロータリーへと入ってきました。滝の手前には温泉街が広がっているためかそこそこの観光客が乗り込んできました。

私は一番後ろの席に座ると落ち着くことが出来るため、真っ先に後ろ側へと駆け寄ります。他の乗客は既に各々の席に座っており私と相席する人はいません。

やはり仙台市の範囲内なのが信じられませんね。

バスは郊外の住宅街を走り抜けた後、青葉区と太白区を隔てる小さな坂道を登り下り、太白区へと突入しました。この辺りまでやってくると景色は郊外から再び農村へと様変わりします。

この里山が迫る土地に水田が広がっている風景が私は好きです。こういう場所に来た時にそれまでの雑念が洗い流されて頭の中がクリーンになっていくのです。

乗っていた観光客の全員が秋保温泉で降車し車内は運転手と私だけとなりました。滝と温泉をてんびんに並べてみれば温泉に傾くのは日本であれば自然のことでしょう、すっかり人気が消えてさらに山奥へと突き進みます。

中でも衝撃的だったのがある地点を過ぎるとタクシーのようにボタンを押せば好きな場所で降りられることでした。人家もまばらでしたしそれだけ利用者が少ないことの現れなのでしょう。それでも運行して頂けることを感謝します。

神社とお寺が合わさった姿です。

滝へと続く道には鳥居が建ち神聖な領域へと続くことを示唆しています。そんな神聖な滝はどれほどの迫力があるのでしょう、楽しみです。

しかしその前に建物の方も目を向けてみましょう。工事中でしたが建物自体はしっかり確認でき、参拝者も見られたことが意外でした。秋保大滝不動尊と呼ばれており、平安時代前期にここを訪れた僧侶も滝と周辺の森の厳かさに惹かれて修行を始めたそうです。

僧侶を魅了した滝とはどんな姿なのでしょう?歩きましょう。

修行の場の雰囲気が漂ってきます。

この参道らしき石畳の道を下った先に滝が立ちはだかるのです。蒸し暑い環境の中、水辺に行けば涼しくなるだろうと期待を抱きながら参道を下っていきます。

55mってこんなに大きいんですね。

展望スポットに近づくに連れて轟音と涼しい風が吹きつけてきます。そんな前菜の直後に滝の姿がお目見えです。

仙台市という100万人を超える市に位置し、人目に付く回数が多いために名が知られているものとばかり思っていました。それを見事に打ち砕いてくれた滝の全貌です。

水量も多くしぶきがこちらにまで飛び込み、暑い空気を冷やしてくれます。ここを選んで良かったとこれほど感じたのはいつぶりでしょうか、周りの木々も滝の存在感をアピールしているように見えます。

こんな至近距離で撮れるなんて運が良かったです。

生き物も豊かで展望スポットの周りにはトンボがあちこちに。柵の前に止まった一匹を一枚、これも幸運な出来事でした。

そして目を凝らしてみると滝つぼ周辺に人だかりが確認できました。もしかしてさらに近づけるのでしょうか?この暑い中で滝つぼまで近づければそれはそれは涼しいこと間違いなし、こうしてはいられません。早速滝つぼまで向かうルートを探します。

看板通りに進んでいくとこのようなスギの林が姿を現しました。後ろから来ていた他の観光客からも不安の声が挙がります。これがどこまでも続くように見えるのです。

引き返す観光客も出てくる中、私は看板を信じて前へ足を出します。恐る恐る前へと進んでいくと看板は私の味方だったことが判明しました。これで一安心・・・

園芸用といっても差し支えないほど鮮やかで大きい・・・野生種というのが信じられません。

滝つぼへ向かう道中にはユリの花があちこちに、野に生えていることがもったいないほどにこのヤマユリの花は美しく何枚も写真を撮ってしまいました。図鑑の中でも存在感を放っていたこの種類ですが、実物はそれを超えてきました。

匂いも強烈で甘い香りが漂っています。

滝までのラストスパートはこの遊歩道を行くルートです。奥には既に滝が轟音を響かせており早く早くと急かしてきます。お言葉通り早速向かいましょう。

梅雨の時期なのに水が透き通っていることに山の力を感じました。

滝つぼまで到達しました。既に大勢の観光客が涼みに水に足を付けて楽しんでいました。水しぶきは先程の展望スポットとは桁違い、しぶきに当たるだけで温度が下がっていきます。ここまで来たのでせっかくだからと河原を歩くことにしました。

岩がゴロゴロ転がる上流部の河原ですね、これらの岩の窪みには大量のオタマジャクシがウヨウヨと泳ぎ回っていました。それをさらに石で囲って池にして楽しむ子供も見受けられ、豊かな自然の姿を堪能出来た気分となり満足です。

すっかり市街地の光景へと様変わり

秋保大滝からバスに乗り込み、太白区を東進します。標高が下るにつれて住宅やマンションが増えてすっかり市街地の姿となります。やってきたのは長町副都心です。

100万人都市の副都心は伊達じゃない

先程まで私は山奥の滝にいたのです、しかし30分後の風景は線路と道路、そこにマンションが立ち並ぶ都市部へと様変わりする仙台市は多様な性格を併せ持っているといって良いと思います。こうした市街地と自然が同時に存在する場所は実に興味深いことです。

これは他にも都市部・農村部を含めてじっくり探索する価値があると思います。何度訪れても面白さが尽きません。

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