上田市内を西へ伸びる上田電鉄別所線、ふと地方に走る私鉄に乗りたくなりました。
そこで早速上田駅に出向きしなの鉄道から上田電鉄のホームへと移動します。
しなの鉄道の開放的な空間と打って変わって左右に壁が立ち少し圧迫感のあるホームが見えます。
ここに停車している列車に乗り込み動き出すのを待ちます。
そして発車、3両編成の列車内には各車両に10人ほどが乗っておりラッシュ時を過ぎていることもありゆったりとした空間が流れていました。
線路は駅のホーム端を抜けてから左に急旋回、すぐに下を流れている千曲川にかかる橋を渡ります。
長さ、そして流量日本一の川とだけあって河口である新潟市から200㎞以上離れているとは思えない川幅と水量でした。
2019年の令和元年東日本台風の際に猛威を振るった大雨の増水で川にかかる橋は流されおよそ1年半の長い間運休。
当時の写真を見た時の濁流との水量差には驚きました。
訪れた日の川の流れは穏やかで舟を出せるんじゃないかと思えるほどでした。
復旧したことは鉄道好きの私からしても嬉しいことです。
川を渡った先は上田市の郊外で住宅街の中に通された狭い空間を通り抜けていきます。
線路は1本だけ、しなの鉄道線の最高速度85km/h、控えめです。
2本の線路用に広く確保された土地と見比べるとより地域に密着した交通だと理解できます。
住宅街を抜けると地方でよくみられる田園風景が現れます。
東西南北どこを見渡しても山に囲まれています。
盆地からはふもとの青と山頂付近の真っ白い雪のコントラストをはっきりと眺められます。
故に周囲を山々に囲まれた内陸県にいるんだと改めて実感しました。
路線の終盤に差し掛かると線路は緩やかな上り坂へと差し掛かり、前方には温泉の街が見えてきます。
天気は晴れているとはいえ訪れた時期は1月の上旬、厚着しても寒さが身に染みるのです。
そんな中で姿を現した温泉、ここまで来て入らず帰るという選択肢はありません。
そうこう考えているうちに車内からは「まもなく終点、別所温泉です」のアナウンスが流れ、乗客が降りる準備を始めました。
私もそれにつられてドアの前に、開くのを待ちます。
アニメの世界に出てくるような駅舎です。
階段の上に立っていると独りでに子供や学生、老人が各々話に華を咲かせている、そんな光景を連想してしまいます。
おそらくこれまでに見た映画やアニメの影響でしょう。しかし一度そんな光景を目にしたいものです。
もちろん私は駅の写真を撮って終わりというわけではありません。
私は温泉を堪能しようと思って足を運びました。
さらに面白いことにここから歩いて20分のところに国宝に指定されている三重の塔があると聞き、訪れずにはいられませんでした。
次はその塔を載せようと思います。