青春18きっぷを使って長距離旅行 四国ver 姫路~徳島(後編)

建築物
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訪問日:2024年9月5日

ー路線名が分かりやすい高徳線ー

目的地の徳島駅まではここ高松駅から74.5km、これまで移動した距離の半分程ですが単線かつ線形もあまり良いとは言えないもので普通列車ではゆうに3時間を超えてしまうでしょう。

そこで利用させていただくのが特急列車です。高松~徳島間の短距離ですが1時間と少しで移動できるので乗車する価値が大きいです。

色合いが好みです

特急うずしお号徳島行、2019年に運行を開始した2700系で徳島へ向かいます。車両の上にパンタグラフ、つまり電気を送る機関は存在せずディーゼルエンジンで走る気動車です。

鈍行なんて言葉があるように気動車(汽車)は遅いというイメージを持っている方は特に、走行シーンを目にすればそのイメージは瞬く間に取り払われることでしょう。この車両の加減速性能は電車にも負けず劣らず、JR四国の技術力に圧巻されるのです。

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ー狭い香川県とは思えないバリエーション豊かな風景たちー

ここはビジネス街のようです。

高松駅を発車した列車はまず西へと進んだ後に急に方向転換、真逆の東へと向かうのです。高松市の市街地を回りこむように線路が伸びる高徳線、高松駅発車から5分もするとビジネス街を横目に高速で通過していく姿が見えました。どうやら私の予想以上に高松という町には賑わいがあるようです。

琴電の線路 東京や大阪のどこかと勘違いしそうです。

そしてビジネス街から1分、今度は高架下を別の線路が通る都会的な風景が広がります。この線路は香川県を走る地方私鉄、琴平電鉄の線路です。運行頻度はJR線よりも高くより近距離の移動に長けていると言えるでしょう。

そんな市街地の風景を堪能しているうちに列車は郊外部まで移動し、ロードサイド店舗が広がる地方ではおなじみの光景へと変わりました。並行する道路の車を追い越す姿は快感すら覚えます、これぞ自動車交通が支配的な地方部において鉄道が勝る性能だからです。

特急列車が飛ばせるのも郊外部まで、農村部に入ると線形が悪化し70~90km/hを行き来する走行となりました。本来の性能が発揮できないことはもどかしいですがその代わりに景色の良さは向上しました。今まで隠れて見えなかった海がちらちらと顔を出すようになるのです。

高徳線は引っ込み思案なようで前述の通り海が見えるのは一瞬で、シャッターチャンスも短いのです。しかしその素顔は他と負けず劣らず、今回の旅行の一面として残ることでしょう。

海が遠く感じられます

香川県もそろそろ終わりに差し掛かる頃、日本一面積の小さい都道府県だけあってちょっとゆっくりしている間に抜けてしまいました。

ここまで比較的平らな土地を走ってきた高徳線ですがここにきて峠越えの区間が迫ってきます。海もどんどん離れていき、決して高くはありませんが山の区間の走行を始めました。スピードも落ちてしまいますが下から突き上げるエンジン音が不安を消し飛ばしてくれます。さすが2700系!と叫びたいところです。

つい5分前まで海を眺めていたのに・・・四国の険しさがよく分かります。

2700系の強力なエンジンはこういった峠道のために開発されたことを考えると尚も車両を楽しむことができます。その時の気分を言い表すならバトル物語の主人公が覚醒したシーンを見ている時と同じ気分です。

坂という強敵に力強く立ち向かうその姿はいくら見ても飽きることがないのです。

ー山と山に挟まる平らな土地ー

レンコン畑でしょうか?

列車は先程の峠を越えて晴れて徳島県へと入りました。おむすび山が点在する讃岐平野とは違ってここ徳島平野は少ない場所です。中央構造線の間に横長に伸びた平野で吉野川の流れが地面を均したのでしょう。

広大な吉野川を渡ります。

これだけの大きな川であれば平らな土地を作ったというのも納得です。この川の前後には市街地が広がっており徳島県の人口のおよそ半分が集まっているようです。

先程の吉野川本流が別格ですが、他にも中規模・小規模の川がいくつも流れており、水不足に悩まされる讃岐平野とは対照的な光景で香川県とは違うところに来たと感じられます。(香川県内では子供が遊べる程の小さな川しか見られませんでした。上の写真よりも小さいものです)

徳島市内、久しく住宅密集地帯を走行しています。

「まもなく終点、徳島です」このアナウンスが流れてきた頃に窓を覗くと既に市街地へと入っていました。人口24.5万人、これだけ住んでいれば駅に着く前から町が続くこともうなづけます。

佐古駅前、ここから徳島線が分岐します。

終点の一つ手前、佐古駅まで来るとマンションが目立ち始めます。幹線道路沿いにも多く建てられていますがそればかりではありません。徒歩で駅までアクセスできる距離にも多数見受けられ、一定数の鉄道需要があるように思えます。

統一感のある色合い、のんびりとした気持ちが湧きます。

いよいよ列車は終点の徳島駅ホームへ、ポスターに出てくるローカル線の駅のビッグサイズ版と表現できます。すぐ隣の車両基地に停まる車両は全て気動車、おびただしい数の気動車を前にして目が離せません。

そんな風情あるホームに降り立ちこの列車の運行は終了となりました。跨線橋を渡って改札をくぐりいよいよ徳島市の市街地探索へと向かいます。

駅舎はかなり立派なものでここだけで暇をつぶすことが可能です。

徳島駅はJR四国の駅では高松駅に次ぐ2番目の利用者数を誇るターミナル駅、1日に7000人近くの乗客が利用するこの駅では人の流れが尽きることはありませんでした。

四国の都市でもずば抜けて自動車の分担率が高いこの町ではここから離れてしまうと賑わいは期待できません。しかし完全なゴーストタウンというわけではないようで一体どれだけの人通りがあるのか、次回にこの目で確かめていこうと思います。

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