6月3日、夏に入って最初の訪問先は新潟県胎内市に位置する寺院、乙寶寺です。
読みはおっぽうじです。
私は新潟県の下越地方在住なのですが、近くに三重の塔があるとの情報を聞きつけてこの寺院にやって参りました。
初めて目にした時、神社と寺院が混ざったような姿に一瞬これはどっちなんだろうと困惑した自分がいました。
辺りは鳥のさえずりが聞こえるほどの静けさで、それほどメジャーな観光地ではないことがうかがえます。
しかしそれは逆に自然と一体化した感覚が体験できるかもしれないと期待も沸き上がります。
石碑には天平8年(736年)創建と記されており、相当長い間地元の方に親しまれていることがわかります。
時が進むにつれてさらに迫力ある建造物に改築されていったのでしょう。
それを含めて写真のようながっしりと構える風情ある光景となったんだと考えます。
神社や寺院といえば木材の色をそのまま生かした濃い茶色というイメージを持っています。
一方で朱色に塗られたこの寺院を目にして浮かんだ感想は「昔の人も結構派手なのが好きだったんだな」でした。
個人的に赤系統の色は派手と認識しているために起こった感想です。
門から50mほど進んだ先に本堂でしょうか、お寺とイメージして出てくる建造物が構えていました。
多くの参拝客が訪れる賑やかな寺院とはまた違う、人知れずずっとそこに建っていた。
そんなことを勝手に連想させる雰囲気が好きです。
本堂をじっくり見た後、門から本堂まで歩いてくる間に右側に見えていた三重の塔へも立ち寄ることにしました。
門や本堂の朱色主体の鮮やかとは打って変わって、周りの高い木に溶け込む濃い茶色の塔がどっしり構えています。
こういった塔は京都や奈良といった古都にしかないと思っていた私の頭の中のイメージがまた一つ打ち砕かれました。
木々に溶け込むこの塔を眺めていると次第に自分自身も修行している身であると錯覚してしまうくらいに呼吸は整い、周りの情報が遮断されました。
こうやってもっと心穏やかに生きられたら良いですね。