大きい、とにかく大きい白川郷

秘境と言われるのが信じられないほどの広さ、もはや町と言っても差し支えありません。

この日、ふと世界遺産を見に行きたくなって思い浮かんだのがここ白川郷でした。市街地から離れており日本の原風景としてよく知られている村でそんな風景を見ようと多くの観光客が訪れます。私もそんな観光客の一人です。

駐車場に着くやいなや流さすが名の知れる観光地だと実感させられたのが規則正しく停められた観光バスの数々です。

有料の駐車場を後にしてまず現れたのは100mほどの川にかけられた橋です。吊り橋なので当然左右にグラグラ揺れます。

うまくバランスをとりながら川を眺めるとそこまで深くはなく、訪れた春の終わりではなく夏真っ盛りの時期だったらここから飛び込んでるんだろうなと想像しながら橋を渡り終えました。

歩いてみて感じることが秘境というには広いということです。実はこの荻町集落を訪れる1時間前に、富山県南砺市に存在する菅沼集落(こちらも世界遺産)を歩いたのですが、それを見たあとだとこの村がテーマパークと錯覚するほど広いのです。

しばらく集落の家を見て圧倒されながら向かったのは数ある住宅の中でも特に風情を感じさせる和田家です。

中は昭和中頃までの生活道具を展示している施設で私も見学させていただきました。

1階には客人が訪れた際に使用する雅な器がずらりと、そして昼間だというのに灯りがないと暗くて何も見えない階段へ登ります。階段を上り終えるとそれまでの暗い雰囲気から一変、明るい光が差し込む広い空間が現れ左右には白い繭がいくつも。どうやらここは養蚕部屋のようです。

ここで蚕を育てて絹糸をとって収入源としていました。秘境といえど外界とは完全に隔てられたというわけではなく頻度は少ないながらも交流を持っていたところが面白く感じるところです。

和田家2階の窓から眺めた風景です。訪れたこの日は曇り空の中に青空が顔を出す程度でしたが明るい光が入ってくる様子はしっかりと確認できました。確かにこの土地の広さなら下流の町や村に降りることも決して不可能ではないなと勝手に思ってしまいました。

最後に向かったのはこの荻町集落の中で最も見たかった坂を登った先に見える住宅です。中学生の頃に教科書に載せられているのを見てきれいだ!と感銘を受けて以来、いつか訪れたいと思っていましたがまさかこの日になるとは考えていませんでした。

この3つの屋根を眺めながら風が吹いてくると、まるでタイムスリップしたような感覚を味わうことができます。その記憶を忘れまいと咄嗟にスマホを取り出し写真を一枚、上記のような一枚となりました。

そしてこのタイミングで近くにいた外国人観光客に写真を撮ってくれとお願いされ、3枚。話す言葉からして恐らく中国人観光客ではないかと考えています。中国といっても日本のおよそ25倍の面積を持つ広大な国ですが風景が似ているのでしょうか、相手の方も満足気に笑みを浮かべていました。

お礼として私も何枚か写真を撮っていただきました。普段、自分の写真を撮ることはないのですがこの時に撮っていただいた写真は今でも大切に保存しています。これは良い体験でした。

何度も訪れてみたくなる集落です。次は降り積もる雪の世界を体験してみたいですね。

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